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Dron-paの日常と非日常
by ドロン・パ
ネコとまんじゅう
16/09/01 11:22
ネコアレルギー持ちが10人いたとしよう。
当然、全員がネコ嫌いだ。
けどある事情から、ネコ10匹を飼わなければならなくなった。
仕方なく、1人あたり1匹のネコを引き取ることに全員一致で決定した。

そしてネコが10匹やってきた。
1人1匹づつネコを引き取っていく・・・
はずが・・・

1人がゴネだした!
「俺はネコアレルギーなんでネコは飼えません。
なので他の人が俺の分のネコを含めて2匹飼うべきです」

当然他の9人は文句を言いだす。。。
「ちゃんと会議で1人ネコ1匹と決めたでしょ?」
「でも俺のネコ嫌いは個人として尊重されるべきです」
「じゃぁネコ1匹で済むところを、2匹世話しなくてはならない人はどうなりますか?」
「その人は俺のネコ嫌いを斟酌してネコ2匹を引き取ることが人道的見地から正当であることは明白です」
「あなたは自分のことしか考えてないんじゃないですか?」
「自分のことしか考えてないのはネコを2匹引き取ろうとしない人です。何度も言うように、私のネコ嫌いは個人の権利なので、それを考えようとしない人は自分勝手な人です。そういう人は人間じゃありません」

「そうですか。それならば他の人にネコを2匹飼ってもらいましょう」

「えっ!私もネコアレルギーで、ネコは嫌いです。けど会議で決まったことなので、ネコは1匹は飼いますが、それ以上は無理です」
「しかし彼はあなたと同じくネコアレルギーです。なのでネコアレルギーの辛さはあなたも分かりますよね?ならば彼の分のネコを飼ってあげて、彼の辛さを軽減してあげるのが人間として当然じゃないですか?」

こんなやり取りが永遠と続くのが大学の会議である。

また同時期にまんじゅうが10個支給されることになった。
10人ともまんじゅうには目がない。
当然、会議では1人まんじゅう1個と全員一致で決定した。

そしてまんじゅうが支給される場になって、
1人1個づつまんじゅうを受け取っていく。


はずが・・・

例のネコ嫌いのやつが、
「俺はまんじゅうが大好きなんでまんじゅうは2個食べます。
なのでお前はまんじゅうなし、俺がまんじゅう2個貰うことを当然の権利として主張します」

「それって不公平ではないですか?1人1個って決めたでしょ?」
「俺のまんじゅう好きは、個人の権利として認められるべきです」
「ではまんじゅうがもらえない人はどうなりますか?」
「その人は俺のまんじゅう好きを権利として認めることが当然です」

「そうですね。そしてたらあなた、彼にまんじゅうをあげて下さい」
「嫌です」
「あなたは彼のまんじゅう好きを考慮してあげるほどの人間性も持っていないのですね。
たかがまんじゅうじゃないですか。」
「彼が権利を持っているように、私の権利も考慮されるべきです」
「あなたは優しさのかけらもない、人間以下の下等生物ですね」

こんな会議が永遠と続く。

ネコを拒否してまんじゅうを要求するその彼は大学教員として、
日々学生相手に講義を行っている。
そして彼の言うことが「正当」であると考えるやつも、同じく大学教員である。



 




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